マスキングしつつ灰色のジェッソを塗布。
テーブルの端に三脚を付けたデジカメを置き、その向かい側で椅子に座った状態でポーズをとってみて、ふと思った。
この状況ちょっと変じゃね?
ホワイトと薄いグレーを上に重ねる。
当たり前だけど、窓の下にはテーブルの様に足を入れるスペースなんかは無いので、椅子に腰掛けた状態で絵のような姿勢をとると、かなり前屈みになってしまう。なるべく屈まない様にしようとすると、椅子を壁にべた付けして大股開きをしなければならないんだけど、そのような状況は余り一般的ではない様な。正面ではなく横向きに座れば自然になるけど、絵的に今回は正面向きにしたかったので却下。
それではと、窓辺に立って頬杖を付いていることにすると、また一つ疑問が出て来た。それは窓の高さ。
再びマスキング→ジェッソ。
通常、採光の関係で部屋の窓は腰高くらいが主流だと思う。なので(隣接する建物が無ければ)少なくともミクさんが居る場所はリビングルームやダイニングではないということになる。では何処か。
反復反復...
胸くらいの位置に窓が在る部屋といえば、寝室、脱衣所辺りだろうか。必ずしもそうとは言えないけれど。一階ではなく二階以上に在る部屋であれば安全面の都合で腰より高い位置に持ってくるだろうし。もしかしたら腰高窓の前で跪いているのかもしれない(どんな状況?)。まあそれは置いといて、寝室か脱衣所ということにすれば、ミクさんが裸で居たとしても不自然ではなくなるかな。元々は怠慢が原因で裸にしてしまっていたのが結果的に活きてきた様な気がする。
ここまで来て漸く右上の影が逆方向だと気付く。
ナンテコッタイ!\(^o^)/
でもあまりリアリティに拘り過ぎるのもどうかというもので。やれ「光源の位置を考えるとミクさんの顔に影が掛かるんじゃ...」だの、やれ「そもそもそれは窓なのか? なんで建具も付いてないの?」だの、やれ「壁の継ぎ目から考えてそんなところに窓穴を穿つのはおかしいんじゃね? てゆーか何て工法?」だの、やれ「素材は何かね? 僕は化学物質過敏症なんだ」だの、突っ込み出したらきりがない。
イラストレーションやマンガ・アニメの背景美術なんかだと、その辺りをきちんと熟考した上で制作がなされていることが多い様に思う。そう考えるとアートの世界は随分楽をしているのかもしれない。取りあえず「リアリティよりも雰囲気を重視しました」とか「この不完全であやふやなところが私にとっての芸術なんです」とか「因みにこれを馬体油滴に説明すると風呂井戸が遊具で駄々泉なんです。まさに産地浪漫!」とか言っときゃ許される風潮が在るもんね。多分。まあ要するに、如何に普段、自分がいい加減なプロセスで絵を描いているのかということを痛感させられたと云う話。