前回のあらすじ
出発前に歯を綺麗にしておこうと思い、近所の歯科へ歯石の除去に行く。
歯科に行くのは実に五年振りくらい。歯科までの距離二軒隣徒歩二分くらい。
徹夜明けで意識が朦朧とする中シートに横たわって口をあんぐりと開けてキュイ〜ンキュイ〜ンとデンタルノイズを聴いているととても心地が好く眠りに堕ちそうになる。しかし、
(@ω@)「虫歯が有りま〜す。」
という歯科医の言葉で目が覚める。
('A`)「え…?」
(@ω@)「上の前歯に二本有りま〜す。」
('A`)「えぇぇえ !?」
虫歯の治療は次回に持ち越しという事で取り敢えず下の歯だけ綺麗にしてもらい歯科を後にする。
虫歯なんて二十年振りくらいだ。こんな事なら毎年検診を受けておくべきだった。正直下で起きた事件よりもショックだ。
部屋に戻り、描き上げた二つの絵の複写に取りかかる。公に公開する事は無いだろうからしっかり記録しておかねば。
しかし困った事に三脚をギャラリーに置いたままにしていた。カメラは古い銀塩一眼レフにフィルムは感度100ときたもんだ。露出は一秒前後。手持ち撮影はまず無理。
苦肉の策として椅子の背もたれをがっちりホールドしてなるべく腕が動かない様にしシャッターを切ったけど、多分駄目だろうなあ。
結局色々やっているうちに真夜中になってしまい、終電手前の特急で帰省する事に。午前中から飲まず食わずの状態なので辛いなあ。しかも電車めっちゃ遅れとるし。
最寄り駅に到着。金を節約しようと思ってタクシー拾わずに徒歩で実家に向かう。作品二つ抱えて杖も持たなきゃならんし下ろしたての靴は足に馴染んでなくて痛いやら疲れるやらで、実家に到着する頃には深夜零時を回っていた。
つづく。