2.4時間TV 〜 OH, 川で人面石を拾う

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大川に行ってきた。

8月下旬、iaf shopにエドワード・ギラン監督の『さすらいのレコード・コレクター〜10セントの宝物』を観に行く。上映後、久しぶりにE上K太先生と話をし、最近どうですかと尋ねると「今の時代、美術は世間から求められていないからねえ。」と、後ろ向きなコメントをいただく。むしろ現代美術家の頭の中が現代にアップデートできていないだけのような気がしないでもないが黙っていた。その際、「大川の清力美術館で行われている山下耕平の展覧会が良かったよ」とのことだったので行ってみることにした。


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多少なりとも福岡で美術を齧っていた割に、大川市に美術館があるなんて知らなかった。チラシに記載されている交通経路を見てみると、電車とバスを乗り継いで最寄りのバス停(川端通り)から徒歩15分とか少々辺鄙なところに在るようで、すでに行く気が失せる。しかしgoogleマップで見てみると目の前に鐘ケ江というバス停があるのだが…。

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調べてみるとそのバス停は朝と夜の2便しか運行していないらしい。地理的には福岡の自宅より佐賀の実家の方が近く、実家から向かった方が時間を短縮できそうだ。仕事の都合で今年の盆は帰れてないから里帰りも兼ねるかな。しかし仕事の2連休の前日が遅番のため、前日に佐賀入りできない。この連休を逃すと会期に間に合わない。結局連休前日まで思い悩み、夜中に準備だけして、翌日午前中に起きれたら行くことにした。

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翌日、なぜか午前中に目が覚めたので、12:00発の西鉄特急に乗り大善寺まで行く。途中雨が降り出す。傘持ってない。大善寺に着くもバスが出るまで30分ある。暇を持て余し近くにある神社を訪れ、本殿の裏にある社の中を覗くと性器を模した石が祀られていた。

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30分後、バスに乗り大川へ向かう。最初は私以外に5〜6人ほどの乗客が乗っていたんだけど、一人また一人と姿を消してゆき自分一人だけになる。バスは車一台分の幅しかない狭い道を走り続ける。

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雨はすっかり止んだんだけど、うっかり予定の一つ先のバス停にまで行ってしまう。10分ほど歩いて川端通りバス停に到着。辺りには何もない。美術館に向かいとぼとぼと筑後川沿いの道を歩いていて気付いたのだが、この辺りは車社会なせいか歩道らしきものが少なく路肩もすごく狭い。歩いているとものすごい速さで車が隣を抜けていくのでちょっと怖い。

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15分後、漸く目的地の清力美術館に到着。因みにここから10メートルくらい先が久留米市との境界線になっている。

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館内は撮影禁止だったので紹介できないけど、作品数も多く建物の雰囲気も相まって非常に見応えのある展示だった。変に社会性とかを出さずにあくまで内省的な世界を展開している(と思われる)ので安心して観賞できる点も良い。一つだけ気になった点はとある作品のタイトルに「moning」という単語が使われていて、文脈的に「morning」のことではないのかと思ったんだけど、ワザとなのかミスなのかよく分からない。